お知らせコンサルティング取り組み2019.09.20

【導入支援】可茂消防へドローン導入支援

可茂消防へドローン導
可茂消防へドローン導入

この度、「可茂消防事務組合」へサーマルカメラを搭載したDJI製「MAVIC2エンタープライズデュアル」及び運用開始のための支援を弊社で実施させていただきました。

1.選定にあたって


消防分野においては「火災(鎮火後の熱源)」「捜索」「調査」という3点が主要な用途となることから、いろいろな機種を検討し、サーマルカメラを搭載したドローンを選定しました。現場で機材として扱うため取り回しの良さや、飛行可能時間、インターフェースを考慮し、価格的にも導入しやすい「MAVIC」となりました。DJI製だと「M200」という高性能サーマルカメラにさらに高性能可視画像カメラを搭載できるモデルもありますが、費用が高額になることや、現場での効果が体験値として不透明なことから「まずは」ということでした。少し前は「Phantom」がラインナップされていましたが、現在は購入できないため、今後は「Mavic」が主流になっていくと思われます。
今回の選定ポイントは

1.調査目的であり特別高画質である必要はない
2.高性能であることより導入のしやすさ
3.現場での取り回し

が重視されました。


2.独自マニュアルの策定

消防活動での運用を考えて、可茂消防事務組合独自のマニュアル策定を行いました。航空局から「飛行マニュアル」も公表されていますが、官公庁での運用を考えると細部にわたって明文化しておく必要があるため、想定されるケースをヒアリングしながらマニュアル策定を行い、許可承認申請へと進めました。航空局のマニュアルに対して、保管・持ち出しに関する規則や、操縦者の認定のための内部規則が必須だった点が独自になっています。また、運用記録のための書式も新たに準備し、履歴の保管や運用体制の振り返り検証も可能となっています。
独自マニュアルへの反映点として
1.
運用に公益性がある
2.社会的緊急性の高い場面が主体
3.役割の分担による確実性

があげられます。

3.現場状況を本部へ

今回の導入にあたり、「現場での撮影内容をできる限りリアルタイムに本部と共有したい」という要望がありました。MAVICエンタープライズの運用で使うDJIPILOTアプリは外部へのストリーミングへ対応していません(別でサーバー用意すれば可能です)。また、消防現場で使える通信機器の特性から、本部との共有は簡単には実現できませんでした。関係者で何度か議論を重ねた末、少し手間はかかりますが、本部との共有が可能となりました。スマートコントローラからHDMI出力で現場PCへ出力し画面共有する方法が当面の運用となりました。
検討時のポイントは

1.遅延は問題としない
2.既存の通信環境を利用できる
3.追加コストを抑える


実際に議論して採用されなかった案をいくつかご紹介します。

スマホのアプリ画面をそのまま配信
これはできそうでできなかった、という印象です。よくあるゲーム配信(ツイキャス等)アプリのようなアプリがあるかと探してみましたが見当たりませんでした。Googleハングアウトはデスクトップアプリでのみ画面配信できますが、スマホは未対応です。しかしながら、後日わかりましたがSkypeが対応しています。

スマートフォンのビデオ通話機能を利用した配信
iOSのFaceTimeやSNSのビデオ通話機能を使い、モニター画面を接写する方法です。お手軽で一時は当面の運用として考えられていました。理由は伏せますが採用されませんでした。


4.現場即投入の人材育成

機器は予算があれば手に入りますが、それを扱う人材がいなければ効果的な運用はできません。今回、機器の導入に合わせて人材育成においても支援させていただきました。かつてに比べれば容易になったものの、やはり一通りの基礎的な技能を知っておくことが必要です。今回は2日間にわたり、座学から技能まで研修を行い、国土交通省航空局認定制度に基づきライセンスカードの発行及び飛行許可申請の取得まで行っています。

ドローン講習風景
ドローン講習風景



まとめ

自治体、官公庁への導入は広がりを見せていますが、オーソライズされた知識がないことや機器のアップデートが早いこともあり手探りでの導入となっている傾向があります。今回も半年ほどかけて要求事項の整理や機器の選定を行っています。組織内での合意形成の中で条件が変わることもありましたが、なんとか導入に至りました。導入後の運用フォローも行う予定です。自治体や消防機関の方、お気軽にお問い合わせください。